検索からこの記事に辿り着いた方は、この記事を読んでも楽観などせず、必ず病院へ行ってください。
僕の場合は手足の痺れや、物が二重に見える、耳の聞こえが悪いなどの他の症状がなかったので、脳関係の疾患ではなさそうでしたが、素人判断はどう考えても危険です。
特に同居人や助けてくれる人がいない方は、救急車を呼んでもいいと思います。
他の前庭神経炎経験者の方のブログなどを読むと、救急車を使っている方も多かったです。
きっと、寝床でなんとかスマホで検索してこの記事に辿り着いたのだとしたら、救急車を呼ぶくらいの症状であること自覚していると思います。
とても立って歩いて病院など行けないと・・・。
夜中に酷い眩暈が起きて嘔吐
2019年5月7日0時過ぎ、布団で横になっていると回転性の眩暈の発作が起きました。
診察して貰った訳ではないのすが、もともと良性発作性頭位めまい症かなと思われる眩暈持ちだったので「あ、いつものやつやってしまった」という感じでした。
頭を急に動かしたり、特に後ろにそらすように動かすと回転性の眩暈がするというのはわかっていたので、ゆっくりと元の姿勢に戻し安静にしていれば数分で戻るだろうと思っていたのですが、今回は右を向こうが左を向こうが眩暈が止みません。
それどころか、もう回転はしていないのに脳を揺らされているような不快感が続き、直ぐに吐き気に繋がりました。
もともと三半規管が弱く、いまだにバス酔いなどもするのですが、それの何倍もの気持ち悪さという感じで、トイレに駆け込んで(駆け込むこともできないので四つん這いに状態)嘔吐しました。
いつもの眩暈なら立ち上がることもなんとかできますし、嘔吐するほどではないので、これはおかしいなと思いました。
楽な姿勢を見つけて就寝
出すものを出し切ったら多少落ち着いたので、枕元に吐いてもいいようにエチケット袋を用意して寝ました。
この時もまだ頭はぐわんぐわんいってましたが、なんとか寝れました。
絶望の翌朝
朝起きたら治ってたらいいな。
そんな楽観は効きませんでした。むしろ悪化。
妻に色々調べて貰ったところ前庭神経炎というものに症状が酷似していることがわかりました。
もともと数日前から風邪症状(喉⇒鼻⇒熱は出ない)があり、ちょうど今日で風邪は完治するかなぁというところで、風邪からの眩暈という症状にピッタリでした。
調べてみると、 前庭神経炎はこれといった明白な原因はわかっていないと書かれていて。ウィルス感染が原因ではないかと考えられているそうです。
自己診断をすることはとても危険なので、決めつけはしませんでしたが、病院で聞かれるであろう問診を先にすることによって、多少冷静さを取り戻すことができました。
思えば、風邪の最中にいつもは痛くならない咬筋が痛かったり、顎のフェイスラインが触ると痛かったりと変な症状は出ていたように思います。
病院へ行く決意
救急車かタクシーか自力か…。
車を持っていないのでこれくらいの選択肢しかありませんでした。
最初に救急車を考えましたが、どこの病院に連れて行かれるかもわからない状態で、もしも本当に前庭神経炎だったとしたら、入院もせずに家に帰らされる恐怖があり却下でした。
タクシーは、以前、吐きそうな状態で乗ったら拒否反応を起こされたので却下。(タクシーが悪い訳ではありません。車内で嘔吐されたら臭いもついてしまったりするので、嫌なものは嫌だと思います)
また、僕はタクシー自体も酔ってしまうので、そもそも難しいかなと思っていました。
この時点でも常にビニール袋を口にあてて、嘔吐を繰り返していました。
もう出るものもないため、胃液しか出ませんでしたが。
二つの選択肢が潰れたら、あとは自力で行くしかありません。
最寄りの耳鼻咽喉科医院までは徒歩で15分くらい。
果てしなく遠い。
徒歩5秒のトイレに行くにも難しいというのに・・・。
歩いて病院へ
回転性の眩暈というよりは、眼球を左右に無理やり揺らされているような感覚と、それに伴く吐き気が主な症状だったため、なんとか歩くことはできました。
回転性の眩暈の場合は歩いて病院に行くのは無理だと思います。
止まったり、座ったり、寝たり、立ったりと、頭の位置が変わることによって眩暈が起こることがわかったので、なるべく同じ姿勢でいることを心掛けました。
とは言え、常に襲ってくる吐き気との戦い。
そして目を開けられない。(明るい刺激とか、風景が動くのに耐えられない)
本当に歩いて行けるのか?明日でもいいんじゃないか?
そんな気持ちも出ましたが、翌日に良くなっているという保証はなく、逆に悪化する可能性もあるので、気力を奮い立たせて歩きました。
病院の午後の部が15時からだったため、少し早めに家を出るようにしました。
歩けない訳ではなく、歩くと気持ち悪くなって吐いてしまうことが厳しかったので、歩き始めたら病院までノンストップで歩きました。
交差点などでは妻に手を引いてもらって歩きましたが、ついいつもの癖で車がきていないか左右に首を振ろうとして、眩暈が強くなったりしました。
この時、盲導犬と主人の信頼関係ってすごいなと思いました。
自律神経の問題なのか、家の中で座っているよりも外で歩いた方が少しだけ気分が良かったです。
もちろんこの時もエチケット袋は手放せません。
診察
丁寧に問診をしてくれて、耳を診てもらい、メニエール病などの他の可能性を潰してもらったうえで、前庭神経炎であろうという診断を受けました。
一週間、それで様子を見て薬も効かないようであれば近くの脳神経外科でMRIなどを撮ってくださいと言われました。
■わかりやすい?眩暈の種類
http://www.ogata-shunsaku.com/~kafun/memai/memai_3.html
聴力検査は問題なく、眼球の動きを見る電気眼振図検査?(VRゴーグルみたいでしたw)で見たところ、眼球が左右に揺れているのが見て取れました。
以上のことから、緊急性や重篤な病気ではないと判断され、いくつかの薬が処方されました。
直ぐ下に書きますが、この薬が神でした。
病院や検査の種類にもよると思いますが、診察代は初診料含めて2,500円くらいでした。激安!?
こんなに効くのか「吐き気止め」
調剤薬局でかなりの数の薬を出されましたが、一週間分で1,030円程度。これまた安い。
処方された薬一覧
- アデホスコーワ顆粒 ⇒ 血流の流れをよくする
- ジェフニドール塩酸塩錠 ⇒ めまいを改善する
- プレドニン錠 ⇒ アレルギー・炎症を抑える薬
- レパミピド錠 ⇒ 胃の粘膜の保護
- ドンペリドン錠 ⇒ 吐き気や胸やけを和らげる(頓服)
- トラベルミン配合錠 ⇒ めまい改善・乗り物酔い/吐き気を抑える(頓服)
これは僕が処方をされたのはこのような薬でしたというだけに過ぎません。
容量や用法についてはあえて書きません。
上記の薬の成分と同じ市販薬を試すのは危険ですので絶対に止めましょう。
薬を飲んでも吐いてしまうので、まずは座って吐き気が少しおさまるのを待って、まずはドンペリドン錠を飲みました。
吐き気止めなのにドンペリなんて逆に酔いそうな名前がついているのが面白いなあと思いました。
吐き気止めを吐かないようにじっとしていると、30分程度で吐き気が収まってきました。
このタイミングで他の薬も一通り飲み、薬の眠気も手伝って少し寝ました。
その後
昼寝から起きたらだいぶ調子が良く、吐き気もなかったため、急に食欲がわきました。
まだ多少ふらつきはあるものの、薬がちゃんと効いている感じがしました。
また食べ過ぎて吐いてしまっては元も子もないので、控えめに食べつつ夜の分の薬を飲んで一晩寝ました。
お風呂に入るのは少し躊躇しましたが、薬が効いていそうなことと、嘔吐の度に全身に汗をかいていて気持ち悪かったので入ってしまいました。
一晩経った朝、昨日が嘘だったかのように起き上がれました。
寝ている最中も寝返りがうてました。
そして何よりも感動したのが目が開けられました。
そして今、PCの前に座ってこれを書けています。(薬は飲んでいます)
数週間から2ヶ月程度完治するのにかかるという情報もあったのでかなり不安でしたが、ここまで抑えられればなんとか日常生活はおくれそうです。
病院に行って本当によかったと思います。
さいごに
繰り返します。
これは僕が前庭神経炎と診断されたというだけのお話で、これを読んでいるあなたや、苦しんでいるパートナーを助けたいと思っているあなたは、必ず別の疾患かもしれないことを考え、病院へ必ず行きましょう。
もちろん、ふらついている状態で一人で行くのは危険です。
車やバイク、自転車も止めましょう。
病院に行くのもかなり苦労すると思いますが、迷ったら救急車でもいいと思います。(僕は入院できなくて「帰って」と言われても帰れる自信がなかったので止めましたが)
無理やり病院に行こうとして二次的な交通事故を起こしたら目も当てられません。
僕のようにもともと良性発作性頭位めまい症を持っている方は「いつものかな?」と思ってしまうことがあると思いますが、僕の場合はもともとの眩暈は回転性で、この眩暈はブレブレ系だったのでいつもと違うと判断しました。
他にも、数分で直らないことや、横になっても収まらないこと、吐き気がすごいことなどがあげられますが、少しでも普段の眩暈と違ったら病院へGO!です。
逆にもともと眩暈持ちじゃない方に対してはそれほど心配していません。
突然、あれほどの急激な眩暈がおこったら「ヤバい」と思うはずです。
きっとトイレで嘔吐しながら「このまま死ぬのかな…」と思うくらいつらいと思います。
そして、トイレに行く前に一つだけ、スマホは持って行きましょう。(水没させないように注意!)
トイレからベッドに戻れない場合、助け(救急車など)を呼ぶことになるのでスマホが手元にないと困ります。
僕の場合は妻があれこれ看病してくれたので(本当に感謝)よかったですが、一人の場合は助けを呼ぶところも自力でやらなければなりません。
きっとスマホが命綱になると思います。