椎骨動脈解離で手術を選択した話【術前検査通院編】

手術に向けての術前検査と、手術に対して同意書のサインを行います。

2022年8月31日と2022年の9月21日に病院へ行きました。

1日目は耳鼻科とリハビリ科

リハビリ科で認知テスト

リハビリ科では手術後に脳の障害が起こっていないかを比較するために事前に記憶力や判断力、認知能力などのテストを行いました。

言われた数字を何桁まで覚えられるかや、ニュースのような原稿の内容を覚えて要点を話せるか、並べた小物の名前を覚えられるか、特定の規則にならって手を動かせるかなどなど、様々なテストを行いました。

書かれている図形と同じものを描けるかや、数字の順番に鉛筆でなぞれるかなど、小学校の低学年でやるようなちょっと面白いテストもありました。

自分が今どこに居るかや、今日が何月何日何曜日(←意外と難しいですがw)といった簡単な確認から、8桁くらいの数字を順番に言われそれを逆順に答えるといった難しいものまで様々でした。

一番印象に残っているのは言われた数字を逆順に答えるテストと、つみきパズルをお手本の絵柄に合わせて組み直すテストでした。

数字のテストは単純に難しかったです。先生が「5.9.3.7.6.2.1.8」のように言ったものを「8.1.2.6.7.3.9.5」と答えるものですが、とっても脳のリソースを使いました。

このテストは何回かやっているうちに、自分は覚え方がいくつかあるのだなと気が付きました。

音で覚える方法と、1~9の数字を脳内で並べて1個ずつ並べ直す方法と、もう一個は忘れました。

数桁ずつ心の中で口ずさむのが一時記憶としては優秀な感じでした。

つみきパズルの方は立方体の6面に違う図柄が描かれた積み木をお手本の図柄と同じになるように並べるという単純なものです。

最初は4個から始まって、9個、16個、25個と増えて行きます。

あまり考えずに見たまま手を動かせば出来るので、やりながら色々なことを考えてしまいます。

この時に一番思ったのは、何か術後に問題が出ると今簡単だと思っていることができなくなる可能性があるのかぁという怖さでした。

右手がうまく動かせないといったようなことなら想像の範疇ですが、見た図柄を揃えられないや、自分が今どこにいるのか認知できないといったことがおこったとしたら、そもそも「何ができていないのかわからない」という正しさの認知すらできなくなるとしたら怖いなと思いました。

耳鼻科で聴力テスト

見出しで区切ってみてはものの、聴力検査は普通のものでした。ヘッドホンをつけて音が聴こえたらボタンを押し続けて、聴こえなくなったら離すものです。

問診の時に耳に器具を入れて鼓膜の状態を診てもらったり写真を撮ったりしましたが、耳掃除をしてくればよかったとちょっとだけ思いました。

結果としては特に問題ないとのことでした。

2日目はリハビリ・採血・採尿・レントゲン・心電図・筋電図

手術の約二週間前の検査は盛り沢山です。

まずはリハビリ科に行って今度は身体機能の確認を。と言っても基本的には歩けるかどうかや、そもそも何か問題を抱えていないかの確認程度でした。

採血・採尿・レントゲン・心電図も一般的なもので特に問題はなし。ここで問題が出たり他の病気の方が重篤だったり、今のご時世的に新型コロナに罹患していたりすれば手術はできなくなってしまうので良かったです。

最後は聞き慣れない筋電図。

筋電図って痛いの?

どんな検査かわからないので事前にネットで調べると、ちょっと痛そうな説明ばかりでした。

検査室の受付の方が気さくな感じであまり忙しくなさそうに見えたので「この検査って痛いですか?」と聞いてみたところ、筋電図の検査にも種類があって僕がやるのは筋電図検査とは呼んでいるものの、少し違った種類のものなのでまったく痛くないと教えてくれてホッとしました。

検査の内容としては、特定の音を流してその音に対する脳波をとるというものでした。

先ずは脳波をとるための電極を頭部に張り付けます。頭頂部やコメカミ付近だった気がしますが、アルコール脱脂綿でかなりゴシゴシ吹かれました。正確にデータをとるためですがちょっと痛かったです。

検査自体はベッドにじっと横になっているだけでした。部屋も暗くしてあるのでちょっと寝てしまった気がします。10~15分くらいで終わりました。

手術への意思確認と同意書へのサイン

検査を一周終えた最後は診察で先生に手術の説明を受けました。

もう何度目かになるリスクの説明を受けつつ色々な同意書にサインします。

手術に関する一般的なリスクはもともと聞いていたので特に問題はありませんでしたが、手術の際に輸血が必要になった場合に輸血後肝炎(血清肝炎)を発症してしまう可能性があることや、手術で使用する血液製剤でも同様のリスクがあると聞いて少し驚きました。

輸血によってHIVや肝炎になってしまうリスクがあるというのは遠い昔の話で、今は完全に0%だとなんとなく思っていたからです。

もちろん限りなくゼロに近い確率ではあるのですが、医学の進歩に対するチグハグさを感じました。

入院手続きをしていよいよ手術入院へ

術前検査と最後の診察・同意書のサインが終わったら入院手続きをしました。

カテーテル検査の時に一度やっている流れなので緊張などをすることなく余裕がありました。改めて事前に短期入院しておいてよかったなと感じます。

その時と違うのは入院の日程が長いので、食事や飲水、シャワーができない時間や連絡がとれない時間が長かったり、前開きのパジャマが必要だったり、ICUに入る際に歯ブラシなどの荷物を持って行くための小さな袋が必要だったりすることでした。

できるだけ出費は減らしたかったのでパジャマは買って持って行こうと思ったのですが、入院までの日程が短く、パジャマを買うのはちょっと難しそうと思いレンタルにしたのですがこれが大正解でした。

手術後に動けない状態でも看護師さんが必要なタイミングでパジャマ(病院着)を持ってきてくれますし、点滴や注射、血圧測定などもやりやすくなっています。

自前のパジャマでは用意できても2着ですし、結果的には安くすみました。


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