椎骨動脈解離で手術を選択した話【入院・造影検査編・1日目】

みなさんはお友達が「こんど検査入院してくる」と言っていたらどんな風に感じるでしょうか?

僕はこれまでそのような発言を聞いたり、SNSで目にしたりしても「検査だし安全でしょう。命に係わることではないんでしょ」とぼんやりと思ってました。

しかしいざ自分がその立場になってみると驚くほど怖いものです。

入院自体も初めてだったり、手術的なものも初めてということもありますが、何よりもカテーテルと造影剤を使用した検査自体にリスクがあるという説明を受けてからはとにかく怖かったです。

0.1パーセントの恐怖

小さい動脈瘤の場合、破裂リスクは年に1%以下というのがネット上ではよく見るデータです。

解離性の動脈瘤の場合というハッキリとしたデータは見当たらず、解離によって血管の壁が薄くなっていればそれだけ破裂のリスクは高いものと思っています。

とは言え破裂リスクは1%~数%で、特に気が付かずに治ってる人や、急性期だけ入院してあとは安静にしているだけで治る人もいるので、自分も「破裂しない側のパーセント」に入ると思っていましたが「年に1%は手術を検討するラインだよ」と先生に言われてから恐怖がついてまわるようになりました。

そして本題のカテーテルの造影検査ですが、この検査にもいくつかのリスクがあります。

  1. 造影剤(2種類)のアレルギー(による死亡ないし重篤な症状)
  2. カテーテル検査自体のミス
  3. 検査後の血管の損傷、止血における問題
  4. 予期せぬ何か

どれもこれも万が一(0.0001%)以下の可能性と説明され、先生は「億が一(0.00000001%)」という言葉を使っていました。

立場上、絶対に安全(0%)とは言えないけれどまず大丈夫という意味合いと、患者に余計な不安を与えないためだとは思いますが、0%でない限りは不安は拭えませんでした。

入院までの2日間

発症から半年近く動脈瘤は破裂をしていないので、破裂の不安は基本的には感じません。

もちろん処方された血圧を抑える薬は飲んでいますし、激しい運動や、身体に負荷がかかること、血圧が上がりそうなこと、くしゃみや咳なども気を付けてはいます。

破裂の不安よりも強烈なのは造影検査のリスクに対する不安でした。

どれだけリスクが低いとされていても、たまたま自分に当たれば自分にとっては100%になります。

新型コロナの感染確率や重症化リスク、ワクチンによる後遺症の発生率や死亡率、どれもこれも数%以下だと思いますが、その確率ですら急に怖くなりました。

宝くじの1等が当たる確率は1,000~2,000万分の1だそうです。とても当たる気はしません。ところが検査で重篤な問題が発生する確率は1億分の1と言われても、それには該当してしまう気がします。

どれだけ不安を感じても特に出来ることはないので、ひたすら入院の準備をしていました。

今回の造影検査の入院は2泊3日ですが、本番の手術の際は2週間は入院すると言われているので、その時に快適に過ごすための練習と下見と考えていました。

入院の際に準備したもの

  • 薬(お薬手帳・お薬説明書)
  • 印鑑
  • 保険証(マイナンバーカードもかな)
  • 筆記用具(ボールペン2本くらい)
  • Tシャツ × 3枚
  • パンツ × 3枚
  • ハーフパンツ × 3枚
  • 靴下 × 3足
  • 薄い長袖上着 × 1枚
  • タオル
  • └ 適当に2枚
  • └ バスタオル(今回は無し)
  • 洗面用具
  • └ 歯ブラシ・歯磨き粉
  • └ コップ(割れないの)
  • ※ シャンプーはとりあえずは要らない
  • ティッシュ
  • ウェットティッシュ(おしり拭き)
  • ビニール袋
  • 靴(かかとのあるもの)
  • マスク × 数枚
  • ストロー?
  • スマホ
  • 充電器・充電ケーブル
  • 無線イヤホン・充電器

だいたいこんな感じでした。

新型コロナの影響もあって面会は全面禁止でしたので、途中で何かを持ってきてもらうことも叶わない(実際は看護師さんに受け渡しを頼めば多少は融通が利きそうですが)ので、忘れ物があると終わりです。

一番心配だったのはネット環境です。

個室以外はWifiが飛んでおらず、僕がお願いした大部屋(4人部屋)は申し込めば有線LANを引いてもらえるという仕組みでした。

僕のスマホは楽天モバイルなので電波が心配で、できることなら(料金的にも)安定した室内のLANを利用したいものの、有線LANからWifiの電波を飛ばすようにする何かが必要でした。

そしてそもそも病室でWifiを飛ばしてもいいのか?という疑問もありました。

これらの不安を抱えたまま本番の手術入院を迎えていたら安心して手術がうけられないので、事前に検査入院というお試し入院ができて良かったです。

人によっては検査も手術も1回の入院で済ませてしまう人もいるみたいですが、検査入院を終えて改めて分けて良かったなと感じています。

ちなみに以下を購入して持って行きました。

他にも選択肢はあったのですが、翌日届くのはこれしかありませんでした。

結果から言えば大正解でした。

入院初日の昼頃に設定をしてくれたらしく、ベッド脇に有線LANケーブルがひょろりと1本。よく見る水色のやつです。

入院前に家で設定しておいた上記機器にLANケーブルを繋ぎ、スマホでWifi接続をしてみたところ、最初の30分くらいはブツブツと切れてしまい「これはダメかもしれない…」と絶望していたのですが、しばらくして再度試してみたところかなり安定しました。

それから退院までの間、インターネットで困ることはありませんでしたが、上記機器がかなり熱を持つので心配でした。

持ち物の感想

2泊3日でお風呂は1回だけしか入れなかったので今回は必要ありませんでしたが、バスタオル掛けが無いので必要そうでした。小さいタオルよりもバスタオルの方が気持ちがよさそうです。

Tシャツ・靴下・パンツは入院日数分あったら便利かなぁと思っていましたが、面倒くさくてそんなに着替えません。空調もしっかりしているので汗もかかないですし、洗濯乾燥機もあるので次回は2週間ありますが、3着くらいにしようと思ってます。

ゆったりとしたハーフパンツを持って行ったのですが、点滴をしながらトイレに行ったりするとズボンをおろしたときに地面につきそうになるのが気になったので、もう少しピッタリ目のズボンの方が良さそうでした。大部屋でトイレが共同なので清潔感はかなり気になりました。

寒いかもしれないと長袖の上着を持って行きましたが、これも1着あればいいかなと。

無線イヤホンがあると便利かなと思いましたが、無線である必要がなく、むしろ充電が必要になるのはかなりのデメリットでした。また、備え付けのテレビも有線イヤホンでないと繋がりません。

髭剃りは日数と、髭の伸びる速さによるかなぁ。

ゴミ袋は要りませんでした。ゴミ箱があって適当に入れておくと担当の人が1日1回回収してくれていました。分別も必要なし。

食事は特別な制限がなければ、ふりかけが欲しいと感じました。梅干しとか。白いご飯をそのまま食べるのが苦痛な人は何か持って行った方がよさそうです。

あとは、圧倒的にヒマだったので本入院の際はパソコンを持って行こうと思います。

入院スタート

入院棟に入ってナースステーションで受付をすると、iPadで入院の手引きのような動画を観ながら問診票を書いて熱をはかりました。

10分くらいすると病室に通され、自分のベッドがあてがわれます。入院前に妻とベッドの場所を予想していて、僕は入口側を予想していましたがハズレました。

ロッカーや貴重品入れなどの設備の説明が終わるとあとは呼ばれたりするまでは自由なようなので外着から入院用のTシャツなどに着替えて荷物整理をしていると最初に薬剤師さんが来ました。

「アンサングシンデレラで見たやつだ!」

そんなことを思いながら飲んでいる薬を渡したり、アレルギーを起こしたことがあるかなどの説明をしました。

2泊3日の入院で一番聞かれたのは本人確認のための生年月日と名前ですが、その次はアレルギーの有無だったと思います。それくらいアレルギーは怖くて気をつけなければならないものなのだなぁと感じました。

地味に怖いPCR検査

入院するにあたってPCR検査と胸部レントゲン検査が必須でした。

このPCR検査は唾液ではなく綿棒を深めに鼻に刺すやり方だと聞いていて、入院前から震えていました。

どうも鼻の奥に何かを入れるのは想像するだけで苦手なのです。

担当の看護師さんが自己紹介もそこそこに、試験管のようなものに入った長めの綿棒を左鼻にぶすりと…、そして少しコネコネ。。。

うん。痛い。

痛みが引く前に次は右鼻をコネコネ。。。

これで入院における僕の恐怖の半分はクリアしました。

恐怖の同意書

薬剤師さんが戻って行ってすぐに脳外科の先生がやってきました。

紹介いただいて問診をやってくれた先生とは別の先生なんだなぁと思ったものの、まぁ手術ではなく検査だし、そういうものだよなぁと思い直して説明を聞く。

大きくは3つ。

  • 検査にはリスクがある
  • 検査に使う薬剤にもリスクがある
  • MRIの造影剤とカテーテル検査の造影剤は別物

基本的に怖いから嫌だという選択肢を選んだり、何かあったら病院側で責任を負ってくれということは言えないので、言われるがままにサインするだけでした。

1点だけ、薬剤でアレルギー的なことが起こる可能性は事前にパッチテストのようなことはできないのか?と聞いてみましたが、コストと比較して精度が低いというような説明(要するに意味がない)をうけて、へぇと思ったのを覚えています。

CT検査と昼食と

最初の検査はCT検査でした。

これは…全然記憶に残ってないです。

MRIと似ていた気がしますが、比較的すぐに終わった気がします。

あれ、、、本当に覚えてない。。。

CT検査とMRI検査をやる場所は同じなので、できれば1回で済ませたかったけれど、準備ができていないらしいので病室に戻る。

ちょうどお昼の時間になったので昼食が出てきた。

普段、昼食は食べない(と言うかお昼に起きるので朝食=昼食)ので変な感じでした。

  • 白米
  • サワラの西京焼き
  • 茄子そぼろ煮
  • 二色浸し・シメジ
  • パイナップル

うん。普段食べないものばかりですが、ありがたくいただいてMRI検査を待つ。

造影剤を使用したMRI検査

昼食を終えてから1時間ほどで呼ばれたので、また検査室へ行く。

MRIは慣れていたので特にストレスなく検査が開始される。

検査がはじまって10分くらいした後に造影剤を注射され、頭をとにかく動かさないように繰り返しアナウンスをされていた気がします。

造影剤で何か身体に異変が起こっていないかを確認するために、左手や左足の指(右手は緊急用ののボタンを握らされてる)をたまに動かして確認していました。

唾液が喉に落ちてくるのを頭を動かさずに飲み込むのに苦戦する以外は特に問題なく検査を終えました。

水平なところに枕を使わずに横になると眩暈がする体質なので、検査が終わったあとは少し気持ちが悪かったです。

ヒマ・ひま・暇

一日に何回か体温や血圧を計ったり、トイレに行けばその回数をメモしておく必要はありますが、それ以外の制限は何もなく(外出はダメですが)、とにかく暇でした。

妻とLINEをしたり、スマホで動画を観たり、ウロウロ(と言っても往復3分のフロア)したり。

寝れないなぁと思いつつもいつの間にか寝ていて、4時頃目が覚めて、二度寝して起床時間の6時頃にまた目が覚めて、ついに本番の検査日を迎えました。


椎骨動脈解離で手術を選択した話【入院・造影検査編・2日目】に続く⇒

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